障害者の短時間雇用でも企業助成制度を、厚労省報告書
厚生労働省の有識者研究会は30日、企業に障害者雇用を促進させる制度の報告書をまとめた。週20時間未満の短時間で働く障害者を雇う企業などへの助成制度や、障害者が働きやすい労働環境を整備している中小企業の認証制度などの創設を提言している。
報告書は厚労相の諮問機関の労働政策審議会に提出され、同審議会で法制化や予算措置など実現化への議論を進める。
報告書は障害者の特性に応じた働き方の選択肢を増やすことを提案した。意欲はあるものの体力的に長時間労働の難しい障害者が、週20時間未満の短時間で働くケースが増えている。週20時間未満で働く身体障害者の割合は、2008年の1.8%から13年は5.5%、精神障害者の割合は08年の0.6%から13年は4.2%に拡大した。
ただ、現行の障害者雇用の助成制度では週20時間未満の短時間は対象外となっており、報告書は短時間で障害者を雇う企業などを支援する制度の創設を提言した。
障害者を雇用していない企業の多くが従業員100人未満の中小企業で、報告書は中小企業に障害者雇用を促進させる制度の必要性も指摘。障害者を積極的に雇用したり働きやすい環境を整えたりした企業の認証制度を創設し、認証を取得した企業は低利融資の優遇措置などを受けられることを検討する。
厚労省障害者雇用対策課は「障害者の特性や適性を生かし、障害者と健常者が共に働ける社会づくりを進めたい」と話している。