東京の夜空、一日遅れの大輪 隅田川花火大会
東京の夏の風物詩、隅田川花火大会が29日、台東区と墨田区にまたがる会場で開かれた。台風12号の影響で21年ぶりに1日順延されての実施。東京スカイツリーや隅田川の近くに集まった87万4千人の見物客は夜空を彩る色とりどりの大輪の花に見入った。
今年は例年通りの約2万発を用意。午後7時ごろに1発目が打ち上げられると、見物客はスマートフォンで撮影したり、歓声を上げたりして花火を楽しんだ。
友人らと訪れた千葉県市川市の高校2年、大平彩貴さん(17)は「天気が心配だったが無事に晴れて良かった」と笑顔。妻(51)と一緒に鑑賞した墨田区の男性会社員(51)は赤、青などの閃光(せんこう)が広がる様子を見つめながら「サッカーのワールドカップで優勝したフランス国旗を意識した作品だろうか。花火職人のこだわりを想像するのが楽しい」と話した。
警視庁は今回、警察車両の上のカメラから群衆を撮影し、不審者や置き去りにされた荷物を検出するシステムの導入に向けた実証実験を実施。2020年東京五輪・パラリンピックを念頭に不特定の人が多数集まる「ソフトターゲット」を狙ったテロ対策につなげる。