草津観光回復へ共同集客 高崎高島屋と町がキャンペーン
群馬県草津町は1月の草津白根山の噴火以降、低迷する観光の回復に向け、高崎高島屋(群馬県高崎市)と共同で観光キャンペーンを展開する。8月に同店で旅館の宿泊券や温泉の割引券が当たる抽選会などを開く。草津町が百貨店とイベントを開催するのは初めて。噴火に伴う風評被害を払拭し、集客アップにつなげる。
高崎高島屋で8月1日~14日、「暑い夏は、涼しい草津へ行こう!キャンペーン」を展開する。町の観光課のほか、草津温泉観光協会や草津観光公社と共同で実施する。
高崎高島屋は17年9月の改装以降、入店客数が前年比3割増で推移するなど、県内有数の集客を誇る。高崎駅に近く、新幹線を利用し県外からも多くの顧客が訪れる。24日に開いた記者会見で黒岩信忠町長は「(高崎高島屋は)1等地にあり、集客力も大きい。町の名前を出してもらうことで大きな効果がある」と話した。
期間中は店内で町内の四季を紹介する動画を流す。8月8~11日には合計3000円以上を買い物した客に11日の抽選会の参加券を配布。1組2人に旅館の宿泊券を贈るほか、抽選会に参加した全員に「大滝の湯」など人気の外湯3施設の割引券を配布する。8~14日には片岡鶴太郎美術館の作品を約20点展示し、グッズも販売する。
草津白根山の本白根山が噴火して23日で半年たったが、客足は戻っていない。4月に約2キロ離れた白根山の噴火警戒レベルが引き上げられると、人気の観光道路「志賀草津高原ルート」が一部通行止めになった。2017年度の草津町の観光入り込み客数は過去最高の321万人を記録したが、今年5、6月は前年同期比で約15%減少した。
町は気象庁などに同ルートの条件付きの開通を申し入れているが、閉鎖解除には至っていない。黒岩町長は「噴火時の映像や道路の閉鎖で、草津はなんとなく危ないのではないかと印象を持たれている」と指摘する。
町は風評被害で落ち込んだ観光客を取り戻すため、中心部の湯畑周辺で大道芸を始めたほか、草津最大の「西の河原露天風呂」の男湯を毎月1回、3時間混浴にし、カップルや家族連れを呼び込む。黒岩町長は「草津温泉が1日でも早く元気になることを願っている」と話しており、高崎高島屋との連携を通じ、温泉地の安全性をさらに周知したい考えだ。
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