公文書管理の監視強化 政府、改ざん問題で防止策 悪質行為は免職も
政府は20日午前、公文書管理に関する閣僚会議を首相官邸で開き、学校法人「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざんなどを受けた再発防止策を決めた。特定秘密を扱う内閣府の独立公文書管理監の権限を一般文書に広げ、省庁横断で監視機能を強める。改ざんや隠蔽といった悪質な行為には免職を含む重い処分を科す。
安倍晋三首相は会議で「一度失われた信頼を取り戻すのは至難だが、危機感を持って再発防止に全力を尽くす」と強調した。監視体制の強化策では独立公文書管理監を審議官級から局長級に格上げし、今秋にも事務局として「公文書監察室」を設ける。各府省庁にも審議官級の「公文書監理官」を据え、その下に「公文書監理官室」を置く。
公文書管理を巡る不正の抑止力を強めるため、人事院の懲戒処分の指針に免職を含む重い処分を科すと明示する。各府省庁の文書管理の責任者に加え、新規採用職員にも公文書管理の研修を義務付ける。
公文書の作成や保存、廃棄や国立公文書館への移管までを電子化する仕組みを2018年度中に検討する。変更履歴を残して不正を防ぐとともに、情報公開時に文書を検索しやすくする。
政府は公文書管理の閣僚会議に先立ち、デジタル・ガバメント閣僚会議を開き、各府省庁の行政文書決裁の電子化を徹底する「電子決裁移行加速化方針」を決定した。総務省が各府省に提供している文書管理システムを改修し、決裁後の文書を修正できない仕組みにする。