スー・チー氏が民族和平に託す「改憲」の深謀
アジア・エディター 高橋徹
各民族が自らの意思で運命を決める「民族自決」は、1950年の国連総会で認められた基本的人権のひとつである。現実は簡単ではない。スペインのカタルーニャ州やトルコのクルド人勢力、中国のチベット問題などの例を挙げるまでもなく、独立や自治を求める民族と国家のあつれきは枚挙にいとまがない。
「アジア最後のフロンティア」といわれるミャンマーも同様だ。70万人が難民化したイスラム系ロヒンギャを巡る宗教問題だけ...
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経済が成長し目まぐるしく変化するアジアの国々。米国と中国の超大国同士の貿易摩擦が激しくなる中、その狭間に位置するアジアにも余波が及んできた。現地の政治・経済の今を切り取る。