彫刻家の流政之さん死去 NY貿易センター前に作品
2001年の米同時テロで崩壊した世界貿易センタービル前に設置されていた代表作「雲の砦(とりで)」などで知られる彫刻家の流政之(ながれ・まさゆき)さんが7月7日午前、老衰のため死去した。95歳だった。告別式は行わない。
長崎県出身。零戦のパイロットとして終戦を迎えた後、1955年に初めて個展を開催。64年のニューヨーク世界博日本館で壁画「ストーンクレージー」を手がけた。66年から高松市内にアトリエを構え、75年制作の「雲の砦」などで世界的な評価を受けた。雲の砦は米同時テロを受けて撤去されたが、04年に北海道立近代美術館(札幌市)に半分の大きさで再現された。
74年に日本芸術大賞。87年8月、日本経済新聞に「私の履歴書」を執筆した。