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GMがとらえた「規模の先」、狙うは次代の司令塔

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電動化や情報化の新技術が相次ぎ登場し、自動車産業は「100年に一度」とされる変革期に突入した。経営破綻から9年、販売世界一から陥落した米ゼネラル・モーターズ(GM)は剛腕の女性経営者がビジネスの「創造と破壊」にかじを切る。外部の知を取り入れ、従来型の自動車メーカー像から脱皮しようと懸命だ。

2019年に投入する完全自動運転の電気自動車(EV)「クルーズAV」の運転席にはハンドルやアクセル、ブレーキペダルはおろか、手動操作用スイッチもない。EV化で排出ガスを、完全自動運転で衝突事故をなくす。ライドシェアは各国で深刻化する交通渋滞の処方箋になる。GMが目指すのはそんな未来の司令塔の座だ。

国有化を経て14年1月に就任したメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)が見据えるのは、業界の常識だった「規模の経営」の先。「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」と呼ばれる次世代4分野の陣取り合戦は世界で過熱しており、GMもフルスロットルでアクセルを踏み込む。

自前主義捨て、外部の知導入

16年1月には他メーカーに先駆け、ライドシェア大手の米リフトに5億ドルを出資。同年には米クルーズを買収し、シェアリングサービスや自動運転で先行するスタートアップと一気に手を組む。次世代環境技術では13年にホンダと燃料電池車(FCV)で提携。今年6月にはEV向け電池の開発へ関係を深めた。

自前へのこだわりは捨てた。クルーズAVの要の技術を担うのは買収したクルーズ。同社の従業員は買収時の20人程度から800人程度まで増加している。EVやFCVは23年までに20車種を発売する。既存の市場で身を縮める一方、自動運転と電動化など将来技術に経営資源を集中させる。

「ハードとソフトを一体的に開発できる垂直統合型のビジネスが最大の強みだ」。5月31日、世界最大のテクノロジーファンドとして知られるようになったソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の投資担当者、マイケル・ローネン氏は電話会見で切り出した。

ローネン氏は、米ゴールドマン・サックスで通信業界の大型合併・買収案件を多数手掛けた経歴を持つ。同氏が「同業案件を数カ月かけて精査した」結果、総額22億5000万ドルの賭け金を積んだ投資先がGM傘下に入ったクルーズだった。

16年にGMが約10億ドルで買収したクルーズの企業価値は、同ファンドの出資で115億ドルに上昇。競合ひしめく同分野で業界随一のバンカーにお墨付きをもらったGM。株価はこの日だけで10%以上値上がりした。

資本市場が好感するのはプライドを捨ててでも新たな価値観に挑もうとする前のめりの姿勢。スマートフォン市場を席巻した米アップルのような手法で自動運転車を開発するGMを、SVFは高く評価した。

 GMは日本語にすれば「総合自動車」。かつての経営トップが「GMにとって良いことは米国にとっても良いこと」と言い放ち、強いアメリカの代表企業として世界の自動車産業をけん引した。07年まで77年連続で世界販売トップを守り続けたが、リーマン・ショックのあおりで創業101年目の09年、法的整理に追い込まれた。

昨年3月、バーラCEOは仏グループPSAのカルロス・タバレスCEOとの共同記者会見に臨んでいた。「中核事業に集中し、将来技術に投資を振り向ける」。バーラ氏は会見で、赤字が続いていた独オペルなど欧州事業をPSAに22億ユーロで売却すると表明した。

拡大戦略に一線、米中に集中

世界の自動車大手が成長市場と見るインドからの販売撤退も昨年5月に表明。15年にはロシアからの撤退を、直近では韓国の自動車工場閉鎖を決めた。ライバルがM&A(合併・買収)などで規模を拡大するなか、GMの販売台数は17年に世界4位まで落ち込んだ。

15年に欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のセルジオ・マルキオーネCEOから合併打診を受けた際は「すでに規模を持っている」(バーラCEO)とオファーを袖にした。規模拡大を追い求めた過去を反省し、高シェアの米中に絞る姿勢にブレはない。

GMの部品加工職人として働いた父親を持ち、自身も18歳からGMの研究所で学んだバーラ氏は世界の自動車大手で唯一の女性CEO。「スーツを着たエリート集団が高シェアにあぐらをかいていた」と批判された経営陣も刷新が進む。

30代を抜てき、経営陣刷新進む

6月には39歳のインド人女性、ディビア・スリヤデバラ副社長を最高財務責任者(CFO)に昇格させる抜てき人事を発表。スリヤデバラ氏はオペル売却やクルーズ増資などを手掛けた責任者だが、30代の若手の登用は世界を驚かせた。

急進的な変革が結果に結びつく保証はない。18年1~3月期決算は韓国事業のリストラ関連費用が響き、純利益が前年同期比60%減の10億4600万ドルに落ち込んだ。次世代技術はまだ種まきの段階で、目下の稼ぎ頭は昔と変わらず「ガソリンがぶ飲み」と批判され続ける北米市場のピックアップトラックや多目的スポーツ車(SUV)だ。

頼みの米国市場も頭打ちが鮮明だ。17年の米国の自動車販売は8年ぶりのマイナスに。EVや自動運転が収益源に育つには時間がかかる。端境期の食いぶちは自ら確保するしかない。株価低迷に業を煮やしたアクティビスト(物言う株主)から批判もされた。

法的整理から10年、バーラCEO就任から5年にあたる節目の19年に新生GMの誕生を宣言できるか。その行く末は、世界の自動車メーカーの将来戦略にも大きな影響を与えることになる。

(企業報道部 田中暁人)

 世界販売「1000万台クラブ」に名を連ねた世界大手4グループは目前の課題にどう向き合い、変革の先に何を目指すのか。4強の現在地と将来像を深掘りする。

[日経産業新聞2018年7月17日付]

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