金正恩氏、拉致調査の再説明を指示か
【ソウル=恩地洋介】北朝鮮による日本人拉致問題を巡り、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が最近、拉致問題に関する調査結果を日本に再説明するよう指示したとの情報があることが分かった。北朝鮮側は結果を受け入れるよう日本に要求しているという。韓国拉致被害者家族会の崔成龍(チェ・ソンヨン)代表が12日、北朝鮮指導部に通じる平壌消息筋の話として明らかにした。
崔氏は2006年に、拉致被害者の横田めぐみさん(失踪当時13)が北朝鮮で韓国人拉致被害者と結婚したとの情報を明らかにした人物だ。崔氏が今回、情報を得た消息筋によると、金正恩氏は6月の米朝首脳会談後に「日本に再調査の結果を伝え、拉致問題を最終的に解決せよ」という指示を下したという。
再調査とは、拉致被害者や行方不明者を含む「全ての日本人」に関する包括的、全面的な調査を約束した14年のストックホルム合意に基づくものとされる。北朝鮮側は日本政府に金正恩氏の指示内容を伝えたという。
北朝鮮は拉致問題に関して、02年に表明した「8人死亡」との主張を繰り返している。日本側は客観的証拠がないとして、一貫して再調査を求めてきた。安倍政権はトランプ米大統領や韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を通じて、北朝鮮側に対話を再開し、拉致問題の解決をはかりたい意思を伝えている。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。