NAFTA再交渉の前進求める、米墨カナダの自動車9団体が声明
【ニューヨーク=中山修志】米国、メキシコ、カナダの自動車関連9団体は9日、共同声明を発表し、難航している北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を前進させるよう呼びかけた。6日に米中が互いに追加関税を発動し、自動車を巡る貿易摩擦が過熱している。自動車団体はメキシコでの12月の新政権発足を踏まえ「NAFTAを更新する絶好の機会だ」と訴えた。
NAFTA再交渉では自動車分野が最大の争点となっている。自動車関税を減免する条件となる部品の域内調達率を巡り、各国の隔たりは埋まっていない。米国は自国の生産を増やすために高賃金地域での一定の生産を求めており、メキシコが反発している。
メキシコのロペスオブラドール次期大統領は、現政権の路線を引き継いでNAFTA合意をめざす考え。だが、2日に同氏と電話会談したトランプ米大統領は、NAFTA再交渉とは別に、メキシコとの2国間協定の可能性についても触れた。
北米の自動車産業はNAFTA域内の非課税を前提に工場やサプライチェーン(調達網)を整備してきた。米国が中国製の自動車部品などに追加関税を発動したことで、北米の供給網はさらに重要になる。
自動車団体は共同声明で「新たなNAFTAの確立によって、北米の自動車産業は世界的な競争力を保つことができる」と訴えた。