ガソリン輸入「3年でゼロに」、メキシコ次期大統領
【メキシコシティ=丸山修一】メキシコの次期大統領に就任することが確実になったロペスオブラドール元メキシコシティ市長は今後3年間でガソリンの輸入をゼロにする方針を明らかにした。精製施設を新たに建設するなどして国内需要を全量、自国でまかなう考え。メキシコは産油国ながら石油精製能力が低く、国内需要の過半を主に米国から輸入している。
メキシコ国内には6カ所の精製施設がある。すべて国営石油会社ペメックスが運営しているが、本来の能力の半分以下しか生産できていないとみられる。ロペスオブラドール氏は選挙期間中からガソリン価格を上昇させないことを公約しており、既存施設の増強や新設で国内の精製能力を拡充し、輸入に頼らず自国生産でまかなう形にして価格を抑えたい考え。
ただ、新たに精製施設を建設したり増強投資したりする費用を考えると、現在のようにガソリンを輸入した方が安上がりになるのではとの指摘もある。ロペスオブラドール氏は「(新たな精製施設が稼働する)3年後にはガソリン価格は下がり始めるだろう」と自信を見せている。
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