元警部銃撃の工藤会系元幹部、二審も懲役30年 福岡高裁
北九州市で2012年に起きた福岡県警元警部の銃撃事件などに関与したとして、組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などの罪に問われた暴力団工藤会(本部・同市)系元組幹部、中田好信被告(43)の控訴審判決が4日、福岡高裁であった。野島秀夫裁判長は懲役30年とした一審・福岡地裁判決を支持し、被告側控訴を棄却した。
昨年12月の一審判決は「銃で至近距離から襲撃するなど凶悪。刑事責任は重い」とし、工藤会トップの野村悟被告(71)=同罪などで起訴=らとの共謀も認定した。
控訴審で弁護側は改めて殺意や組織性を否認したが、野島裁判長は判決理由で「死亡してもやむを得ないという程度の殺意を認定した一審の判断は正当」と判断。一審に続き、野村被告を頂点とした組織的な犯行であるとも認定した。
一、二審判決によると、中田被告は12年4月に同市小倉南区で起きた元警部銃撃事件で実行役を務めたほか、13年1月の福岡市博多区の看護師襲撃、14年5月の北九州市小倉北区の歯科医師襲撃事件にも関与した。