メキシコ次期大統領、NAFTA再交渉「現政権と共同で」
【メキシコシティ=丸山修一】メキシコの次期大統領に就任することが確実になったロペスオブラドール・元メキシコシティ市長は3日、メキシコシティの国立宮殿でペニャニエト大統領と会談した。会談後に記者会見したロペスオブラドール氏は北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉に関しては専門家を派遣し、現政権と共同で進める方針を明らかにした。
ロペスオブラドール氏はグアハルド経済相をはじめとした現在の交渉団に関して「うまくやっていると聞いている」と評価。「我々からも専門家を派遣し、現チームを尊重しながら共同で交渉にあたりたい」と話した。あくまでも「目標は交渉妥結だ」とも話し、改めてNAFTA再交渉では米国、カナダ3カ国での妥結に対して意欲を見せた。
会見では、2019年度予算案に関しても言及した。すでにペニャニエト氏がゴンサレス財務公債相に対して、新政権で同相に指名されているカルロス・ウルスア氏と会談するように指示を出したという。新政権がスタートする19年予算案に関しては、早くもロペスオブラドール氏の政策が織り込まれた形になりそうだ。
一方、選挙期間中から主張していたように、大統領公邸には住まないことも約束した。大統領公邸は「国民のための文化芸術施設にする」としている。以前からぜいたくだと批判してきた大統領専用機に関しても「ヘリコプターも含めて使わない。出張には民間航空機を使う」としている。