CKハチソン、伊通信大手を完全子会社化 3200億円投じ年内にも
【香港=木原雄士】香港の複合企業、長江和記実業(CKハチソンホールディングス)は3日、折半出資するイタリアの通信大手ウインド・トレを完全子会社化すると発表した。オランダの通信会社ビオン(旧ビンペルコム)からウインドの株式50%を24億5000万ユーロ(約3200億円)で買い取る。欧州連合(EU)やイタリア当局の承認を前提に7~9月期の子会社化をめざす。
CKハチソンはビンペルコムと折半出資の新会社を設立。16年に「ウインド」と「3(スリー)イタリア」の通信事業を統合した。
ウインドは携帯電話の顧客数ではイタリア最大手。完全子会社化によってイタリアをはじめとする欧州の通信事業を強化する。
CKハチソンと同じく、李沢鉅(ビクター・リー)氏が率いる不動産大手の長江実業集団は6月に豪ガスパイプライン大手APAの買収を提案した。引退した李嘉誠氏の後を継いだビクター氏は、不動産に比べて安定した利益が見込めるインフラや通信、エネルギーに力を入れて、グループの成長につなげる狙いだ。
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