柴崎、光った中盤でのコントロール
初めてのW杯でも、いつもと変わらず平然とボールをさばく柴崎がいた。「ボールを自分でもグループでも扱える」MFとして、西野監督が肝煎りで中盤を託した1人だった。ボールを持たせて味のある司令塔が、日本の攻めに血を通わせた。
始まってすぐ相手が1人減ったことにはやりづらさもあったという。「コロンビアはブロックは変えず、人数が余ったのは(こちらの)CBのところだけだった」。そうしたピッチ上のアンバランスを感知し、後半は立ち位置を前寄りに移し、推進力を加えていく。
「後半はバイタルエリアの周りで回せた。水平にボールを動かし、相手がずれるのを待っていた」。右の酒井宏を使いつつ、前の大迫を走らせるスルーパス。パスを縦につけるときのセンス、見えている場所が心憎い。
「いつか入るだろう、と得点の匂いを感じながらできた」。若年世代の頃から代表で世界と戦ってきた。コロンビアを前にしても気後れすることはない。4年前の雪辱を果たしたブラジルW杯世代の陰でさりげなく、後に続く世代にも確かな潜在力があることを示してみせた。
(サランスク=岸名章友)