相続の民法改正案、衆院法務委で可決 来週衆院通過へ
民法の相続分野の規定を約40年ぶりに見直す民法改正案が15日、衆院法務委員会で与党などの賛成多数で可決された。来週にも衆院本会議で採決される。残された配偶者が自身が亡くなるまで今の住居に住める配偶者居住権を新設する。遺産分割で配偶者を優遇する規定も設ける。高齢の配偶者の住まいや生活資金を保障する。
亡くなった被相続人の親族で相続対象でない人でも、介護や看病に貢献した場合は相続人に金銭を請求できる仕組みもつくる。息子の妻が義父母の介護をしていた場合などを想定する。生前に書く「自筆証書遺言」を全国の法務局で保管できる制度もつくる。
民法改正案をめぐり、立憲民主党の山尾志桜里氏は「事実婚や同性婚パートナーが対象から外れていることは容認できない」として反対意見を表明した。衆院法務委で全会一致で採択した付帯決議では「多様に変化している家族のあり方を尊重し、保護のあり方について検討する」との内容を盛り込んだ。
付帯決議では、遺言書の保管制度の実効性を確保するため、遺言者の死亡届が提出されると、遺言書の存在が相続人などに通知される仕組みをつくることも明記した。