韓国統一地方選、保守が大敗 代表2人が辞意
一本化課題に
【ソウル=山田健一】13日投開票の韓国統一地方選は14日、開票を終えた。焦点の17広域自治体の市長・知事選は、革新系与党「共に民主党」の候補が14地域で当選。保守候補の勝利は2地域にとどまり大敗した。保守系の2野党の代表は14日、それぞれ辞意を表明した。経済では大企業、安全保障では米国との連携を重視する保守勢力は、分裂状態の解消に向けた再編を迫られている。
「圧倒的な支持を送って下さったことに感謝申し上げる」。共に民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表は14日、国会で勝利宣言した。同党は首都圏(ソウル市、仁川市、京畿道)のポストを独占。韓国メディアはこぞって「1995年に統一地方選が始まって以来、最大の勝利」と伝えた。
同時に実施された国会議員の補欠選挙も12議席のうち11議席を与党候補が制した。投票率は60.2%と4年前の前回(56.8%)を上回った。
南北融和を進める文在寅(ムン・ジェイン)大統領の人気と、友人の国政介入を許した朴槿恵(パク・クネ)前大統領に対する国民の根強い反感が、保守に強烈な逆風となった。最大野党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表と、野党「正しい未来党」の劉承●(日へんに文)(ユ・スンミン)共同代表は14日、大敗の責任をとって辞任する考えを明らかにした。
保守政党は、朴前大統領の事件を機に分裂したことで、存在感が大幅に低下した。支持者からは保守の一本化に向けた再編を求める声があるが、それぞれの党内にトップとして有望な人材が乏しい問題を抱える。今回、無所属候補として再選を果たした元喜龍(ウォン・ヒリョン)済州道知事が、新党を立ち上げて保守系勢力の糾合を目指すとの観測もある。
一方、韓国の放送局KBSによると、韓国検察は13日に投開票された統一地方選を巡る捜査状況を公表した。広域自治体の市長や知事に当選した17人のうち、8人に選挙法違反の疑いがあることが明らかになった。韓国では選挙のたびに選挙法違反の問題が浮上する。もしも検察に起訴されて裁判で罪が確定した場合は、失職になる。