官民で盛り上げるラグビーまつり 19年W杯期間も
官民が一体となって盛り上げるラグビーイベントが東京都内で始まった。17日には、秩父宮ラグビー場で海外の強豪とトップリーグ勢がダブルヘッダーで対戦。周辺を歩行者天国とし、祭典のムードを演出する。2019年ワールドカップ(W杯)日本大会の試合会場から漏れた秩父宮ラグビー場を、大会中に活用できるようにする狙いもある。
「秩父宮みなとラグビーまつり」は、秩父宮ラグビー場の地元港区の行政や財界などでつくる実行委員会が主催する。昨年、新たなラグビーの楽しみ方を提案するイベントとして第1回を開催。約1万人の観客を集めた。今年は規模を拡大。国際リーグのスーパーラグビーを戦うオーストラリアの2チームを招き、NEC―ワラタス戦、サントリー―ブランビーズ戦を行う。
試合日には秩父宮の正面の通りやイチョウ並木を歩行者天国にする。飲食店や、付近の大使館が名産品を並べる店など約70店が並ぶ見込み。婚活チケットも発売。ラグビーに詳しい男性と、スポーツに興味のある女性の縁を取り持つ。豪州勢は12日に来日。トップリーグのチームとの合同練習やファンとの交流パーティーも開く。
出場する日本の企業も大会を盛り上げる。サントリーはスポンサーとして契約。NECのグループ会社、NECネッツエスアイは観戦をより楽しむための技術の実証実験を行う。スマートフォンでラグビーのルールを尋ねると、人工知能(AI)が答えるサービスを提供する。商店街の画像を撮影することで参加できるスタンプラリーも実施。スクラムやタックルを体験できる仮想現実感(VR)のブースも出す。
秩父宮は19年W杯の試合会場に入らなかった。しかし、このイベントでノウハウを蓄積しておけば、W杯中にファンが集うための場所にできる。祭りの旗振り役となった港区ラグビーフットボール協会の黒崎祐一会長は「来年はW杯を楽しみ、日本代表を応援する祭りを聖地の秩父宮で開きたい」と話している。
(谷口誠)