漁業者と企業、連携を アグリテック・サミット
日本経済新聞社が11日、都内で開いたシンポジウム「AG/SUM(アグサム) アグリテック・サミット2018」で、漁村の活性化や水産物の安定供給に向け、資源管理の強化や漁業者と企業の連携推進などが必要だとの意見が相次いだ。
パネル討論には参院議員の江島潔自民党水産部会長や水産庁の長谷成人長官らが参加。長谷長官は、日本の漁業は海洋環境の変化や周辺国の漁獲増などの課題に直面していると指摘。資源管理を強化し「世界有数の好漁場である日本水域の資源水準を底上げしたい」と話した。
全国漁業協同組合連合会の長屋信博代表理事専務は「漁業は量から質を競う時代」と指摘。国内漁獲量は減少傾向にあるものの、船上で神経締めをするなどの付加価値向上で「生産額が向上するなど明るい兆しも見えている」。全漁連として漁業者と企業の連携を促す考えを示した。
オカムラ食品工業(青森市)の岡村恒一社長は漁業ビジネス成功の秘訣は「地元の海を知り尽くした漁業者との協調」と説明。地域と協調しながら「所得と雇用を呼び込みたい」と話した。江島議員は「日本は排他的経済水域(EEZ)の面積が世界6位で多くの可能性を秘めている」と指摘。「漁業の活力アップのため、政府としても全力で取り組む」と語った。