G7サミット閉幕 カナダ首相、米輸入制限「侮辱的」と批判
【シャルルボワ(カナダ東部)=中山修志】日米欧主要7カ国(G7)首脳会議(シャルルボワ・サミット)は9日午後、2日間の日程を終えて閉幕した。議長国カナダのトルドー首相は記者会見で「7カ国の共同宣言を採択し、一定の成果を挙げられた」と語った。ただ、米国による鉄鋼やアルミニウムへの輸入制限措置の発動について「侮辱的」と批判するなど、通商政策を巡る米国と他の6カ国の隔たりは埋まらなかった。
トルドー首相は「世界の不確実性が高まるなかで、G7の重要性はさらに高まっている。参加国の協力が重要だ」と呼びかけた。女児の教育振興と男女平等、海洋保全などのテーマでの合意をサミットの成果とした一方で、貿易問題については「米国の関税押しつけは侮辱的だ。我々は断固たる対応を取る」と説明した。
各国首脳は米国が6カ国に課した鉄鋼・アルミニウム関税を強く批判したが、トランプ米大統領は「巨額の貿易赤字は受け入れられない」と譲らなかった。トランプ氏は9日午前にサミットを途中で退出し、米朝首脳会談を予定するシンガポールに向かった。
トルドー首相は、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉でトランプ氏が主張する5年ごとに協定を更新しなければ自動的に失効する「サンセット条項」について「まったく受け入れられない」と改めて主張した。米国が1日に発動した鉄鋼・アルミニウムへの関税措置についても「撤回しなければ7月1日から米国に同じ規模の報復関税を課す」と表明した。
次回2019年のG7サミットはフランスで開催される。
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