「関税発動で貿易改善」 G7でトランプ氏主張へ
クドローNEC委員長が会見
【ワシントン=河浪武史】クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は6日、主要7カ国(G7)首脳会議(シャルルボワ・サミット)を前に記者会見し「トランプ大統領は世界貿易の改革を求めている。関税発動はその手段でG7でも議論する」と述べた。米国は日欧カナダに鉄鋼などの輸入制限を課しており、クドロー氏は「大統領は取引を望んでいる」と各国に譲歩を促す考えを示した。
トランプ大統領は8~9日にカナダで開くG7サミットに出席する。同行するクドロー氏は貿易が主題となるとの見方を示したが「議論では不一致があるかもしれない」と述べ、鉄鋼の関税発動を巡る日欧カナダの反発を認めた。そのうえで「大統領は公正で互恵的な貿易を求めており、各国との取引を望んでいる」と主張。関税引き上げを材料に、各国に市場開放などで譲歩を求める考えを強調した。
日欧カナダは米国の関税発動を「世界貿易機関(WTO)ルール違反だ」と指摘し、関税措置の撤回を求めている。ただ、クドロー氏は「WTOは機能していない。国際機関が米国の政策を左右することはない」と述べ、国際協調よりも自国法による通商政策を優先するとした。米国と日欧カナダの主張のズレは鮮明で、G7サミットは紛糾が避けられない。
クドロー氏はサミットに合わせて、トランプ氏がカナダのトルドー首相とフランスのマクロン大統領と個別に会談すると明らかにした。