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帰ってきた孫正義氏のM&A番 日本の起業家支援

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10兆円ファンドをひっさげ世界の投資関係者が注目するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長。派手なM&A(合併・買収)を裏方の立場から支えてきた知る人ぞ知る人物がいた。その男は2016年にソフトバンクを去ったが、わずか半年で復帰。帰ってきた孫氏の「M&A番」が目指すのは、未来の人工知能(AI)のスター誕生だ。

日本の人材を育てたい

17年4月、東京・有楽町。孫氏が毎年開く若者向け講演会の直前。仁木勝雅氏(50)が姿を現すと、孫氏はニヤリと笑って告げた。「ウエルカムバック。やっぱり戻って良かっただろう」

10年以上にわたって孫氏のM&A戦略を支え続けた仁木氏は、16年夏に家庭の事情で実家がある広島市に本拠を置くイズミに転じていた。地元流通大手の会長室長として新組織の立ち上げに動いたが、「ソフトバンクで慣れていたスピード感とのギャップが大きかった」と言う。

仁木氏は「ある程度は覚悟していた」と言うが、孫氏のすぐ隣で世界のIT(情報技術)産業を揺さぶるビッグディールを休みなく仕掛けてきた高揚感とはかけ離れた場所に来たことを、すぐに実感した。

そんな仁木氏の思いを見透かしたように誘ったのが青野史寛氏だった。青野氏の肩書は常任執行役員(当時)。グループ内の管理部門を託される孫氏の側近だ。「面白いプロジェクトがあるんだけど、興味ない?」。青野氏が打ち明けたのは起業家の育成事業だった。分野はAI。さらに国内の人材育成に集中すると言う。

実は、AIの人材育成事業は仁木氏がソフトバンクを離れる直前に構想していたことだった。普段からグループ内に目を光らせる青野氏も知らないはずがない。孫氏のM&A番を長く務めた仁木氏には、胸に秘めた葛藤があった。

ソフトバンクは05年に英ケーブル・アンド・ワイヤレス(C&W)日本法人を買収した。当時、C&W経営管理部長として売却交渉にあたったのが仁木氏だった。

ソフトバンクに転じるとその手腕を見込まれてM&Aを担当する投資企画室に抜てきされる。「売り手」から「買い手」になったわけだ。06年に総額2兆円を投じた英ボーダフォン日本法人買収から本格的にM&Aに関わり、社内に設置された「M&Aチーム」のトップとして頭角を現すようになった。

イー・アクセス、米ブライトスター、米スプリント――。数々の大型買収を事務方として支えてきた仁木氏だったが、買収リストに載るのは海外企業ばかり。「ソフトバンクは日本の会社なのに……」。巨大なマネーを日本の産業育成に回せないというジレンマが膨らんでいった。

そんな葛藤を知る青野氏の誘いに仁木氏は乗った。17年9月にソフトバンクグループの100%出資で、AI人材育成のディープコア(東京・港)を設立。その社長に就任した。

帰ってきたM&A番の新たな目標は「日本から世界に通じる起業家を生み出す」ことだ。

投資に通じた仁木氏はAI専門の投資ファンドも組成。資金規模は最大60億円。カネの面でも起業家を支援する。

AI専門の投資ファンド 始動

ただ、仁木氏は「ソフトバンクみたいなギラギラの投資じゃない」と話す。その真意を「AIで起業できそうな気がする、という程度の人にも関心を持ってもらいたい」と説明する。技術に自信はあってもビジネスには疎いような起業家予備軍にも門戸を広げるというわけだ。

そのための支援体制も整えた。東京大学の近くに24時間利用可能の共有オフィス兼研究室を完備。AI研究で有名な松尾豊・東京大学特任准教授と、孫氏の実弟で連続起業家の孫泰蔵氏をアドバイザーに迎えた。

今年2月に第1陣として、200人ほどの応募者から75人を選抜した。大半は20代だが、独学でディープラーニングを学んだ40代の現役医師まで多士済々。まだ緒に就いたばかりだが、仁木氏は「日本の大企業にはAI人材が足りない」と、AI起業支援の可能性を語る。

「起業してみてダメならリターンマッチすればいい。そんな起業の循環までつくっていきたい」と言う仁木氏。若き起業家候補たちを前に、孫氏の隣で巨額のカネを動かしていた頃とはひと味違った楽しみを感じているようだ。 (杉本貴司)

[日経産業新聞 2018年6月6日付]

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