米・トルコ、シリア安定へ治安協力 両国外相が会談
【ワシントン=中村亮】ポンペオ米国務長官は4日、米国務省でトルコのチャブシオール外相と会談した。シリア北部での治安維持に向けた工程表に合意し、テロ根絶に向けて連携することを確認した。シリアのクルド人勢力の扱いをめぐり対立してきた米・トルコの関係改善のきっかけになる可能性がある。
両国が工程表に合意したのはシリア北部の都市マンビジュでの治安協力。米メディアによると、チャブシオール外相は「工程表の目的はマンビジュから全てのテロ組織を排除することだ」と述べた。マンビジュには米軍が支援するクルド人勢力の人民防衛隊(YPG)が駐在するが、トルコ政府はYPGをテロ組織とみなして撤退を求めていた。
ただ会談後に発表した共同声明ではYPGの撤退を明記せず、治安協力の詳細も明らかにしなかった。
米国とトルコは関係悪化が続いていた。トランプ政権が5月に在イスラエル米大使館をエルサレムに移転するとトルコは反発して駐米大使を召還した。米国が欧米など6カ国とイランが2015年に結んだ核合意を破棄した際もトランプ政権を批判していた。