メキシコ、米をWTOに提訴 鉄鋼・アルミ関税巡り
【メキシコシティ=丸山修一】メキシコ政府は4日、鉄鋼とアルミニウムを対象とする米国の輸入制限は国際的な貿易ルールに違反しているとして世界貿易機関(WTO)に提訴する手続きを始めると発表した。今後はすでにWTOに対して同様の手続きを進めるカナダや欧州連合(EU)とも連携しながら米国に輸入制限の停止を迫りたい考え。
米国は1日、鉄鋼に25%、アルミに10%の追加関税を課す輸入制限措置の対象をEU、カナダ、メキシコにも拡大した。メキシコは米国に対して報復措置として鉄鋼製品の他に、豚肉やリンゴなど米国からメキシコへの輸出が多い農畜産品に対して追加関税をかける方針を明らかにしている。
米国との通商問題に関して、メキシコは北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉も抱えている。メキシコ政府は今回の鉄鋼・アルミの貿易制限措置とは別にNAFTA再交渉の協議を継続していく方針だが、両国の関係悪化もあり合意に向けた道のりはさらに険しいものになっている。
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