麻生氏が米国に苦言「関税政策、中国利する」
【ウィスラー(カナダ西部)=八十島綾平】主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席した麻生太郎財務相は2日(日本時間3日午前)、閉幕後の会見で米国の関税政策について「米国が世界貿易機関(WTO)ルールに反するような行為をすることで中国を利している」と苦言を呈した。
麻生氏は「本来は中国に国際貿易のルールを守るようG7が協調して言うべきだ」と指摘。米国が原因でG7に亀裂が生じれば、中国による過剰生産や国有企業への補助など市場をゆがめる行為に関する議論がおろそかになると懸念を示した。
国際協調を呼びかけてきたにもかかわらず、米国の保護主義的な政策がエスカレートし続ける事態。麻生氏は「トランプに最も近い首脳は安倍晋三ということになっている。2人で話してもらうのが一番説得力を持つのではないか」と、7日に控える日米首脳会談に期待を寄せた。
会見に同席した黒田東彦日銀総裁は、貿易摩擦の影響について「最近の保護主義的な通商政策の影響には注意を要すると思うが、現時点でそれらが我が国の景気・経済に影響を及ぼす状況にはなっていないと思う」と述べた。