米財務長官「公正な貿易を」 G7会議、関税発動で防戦
【ウィスラー(カナダ西部)=河浪武史】ムニューシン米財務長官は2日の記者会見で、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で米国の関税政策に非難が集まったことに「米国は公正で均衡ある貿易を求めている」などと反論した。G7は米国と6カ国の亀裂が鮮明だが「G7は経済や安全保障、外交で完全に結束している。参加国は米国の重要な同盟国だ」と緊張緩和に努めた。
G7会議の議長を務めたモルノー・カナダ財務相は、総括声明で「米国の(鉄鋼・アルミニウムへの)関税措置は開かれた貿易と世界経済の信頼を損なう」と名指しで対米批判を繰り広げた。同会議への参加後に記者会見したムニューシン氏は「税制改革などトランプ政権の政策は世界の経済成長に資する。米国が世界経済の主導役を降りたとは思わない」などと防戦に終始した。
会議は米国の鉄鋼・アルミの関税発動を巡って、米国と日欧カナダ6カ国との対立が鮮明になった。ムニューシン氏は「貿易を除く多くの分野で生産的な議論ができた」と主張。さらに「今回のG7は『G6プラス1』などといわれたが、それは違う。G7は重要なグループで完全に結束している」などと反論した。
カナダの議長総括では、ムニューシン氏に日欧カナダ6カ国の懸念を米政権内に伝達するよう要請した。ムニューシン氏は既にトランプ大統領にG7会議の内容を報告したと明らかにし、8~9日に同じカナダで開く首脳会議(シャルルボア・サミット)でトランプ氏が自ら貿易政策を論じるとの見通しを示した。
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