福島銀に業務改善命令、収益力向上求める 金融庁
金融庁は2日までに福島銀行に対して収益力の改善を求める業務改善命令を出した。同行は2018年3月期に将来発生する恐れのあるコストを前倒しで計上。31億円の最終赤字に転落した。外部人材をトップに招き新体制で再建を目指しており、改善命令で収益力の向上に向けた再建の確実な実行を求める。
今回は法令順守違反に対する行政処分ではなく財務に関する内容のため非公表。金融庁は地銀の経営環境が厳しさを増すなか、金融行政方針で「ビジネスモデルの持続可能性に深刻な課題を抱えている金融機関を検査し、課題解決に向けた早急な対応を促す」と表明。福島銀などを対象に検査を実施していた。
福島銀は検査を踏まえて、将来の損失の芽を早期に摘むための損失処理を実施。営業拠点としての収益力が下がっている店舗の資産としての価値を下げる減損処理などをした結果、7期ぶりに最終赤字となった。森川英治社長が引責辞任し、後任に同じ福島県の競合行である東邦銀行の元専務、加藤容啓氏を迎えて再建を目指す。
福島銀の財務の健全性を示す自己資本比率は18年3月末時点で9.54%。国内で営業する銀行に求められている4%の基準を大きく上回っている。金融庁は業務改善命令を出すことで、新体制のもと福島銀が組織一丸となって着実に再建計画を実行し、収益力を高めることを求める。