農家支援「平等から転換」 輸出促進へ自民・小泉氏ら提言
自民党の農産物輸出促進対策委員会(委員長・小泉進次郎筆頭副幹事長)は30日に公表した提言で、全農家を平等に支えるこれまでの発想の転換を訴えた。輸出に取り組む農業者が少ないなか、意欲ある生産者を重点的に支援する農政を進める必要があると主張した。政府が輸出額1兆円を目標に掲げる2019年以降を見据えて「輸出先進国」を目指すとした。
具体策として、国が輸出に意欲的な生産者だけを登録し、政府やバイヤーが海外のニーズや規制を伝える仕組みをつくると明記。小泉氏は記者会見で「予算や支援策は本当に必要な人に届けるべきだ。今までとはアプローチを転換する」と強調した。
農林水産物の鮮度を保ちながら大量に輸送する新技術を導入し、全世界に低コストで輸出する構想も明記。小泉氏は「日本は食を通じたソフトパワーの強化で世界から必要とされる国になる。輸出は日本の最大の外交戦略でもあり、国家戦略にもなりうる」と話した。
政府が6月にまとめる成長戦略などに反映し、今夏の概算要求や19年度予算案に関連施策を盛り込むことをめざす。
農林水産省によると、日本の農産物の13年の輸出額は世界で60位。50年に日本の人口は現在より約2割減るが、世界の人口は3割以上増える見通し。小泉氏は「『世界の100億人を相手にした農林水産業』が共有すべきビジョンだ」と述べた。