ミャンマー計画・財務相が辞任 汚職疑惑を受け
【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマー大統領府は25日、主要経済閣僚であるチョー・ウィン計画・財務相が辞任したと発表した。5月中旬、政府の汚職防止委員会が、チョー・ウィン氏とその息子の汚職疑惑の捜査を開始したと報じられていた。同氏は政権を率いるアウン・サン・スー・チー国家顧問の盟友で、2016年3月の現政権発足以来、計画・財務相を務めていた。
汚職防止委員会は大統領と上下両院によって選任された委員で構成し、汚職事件に対する捜査権を持つ。大統領府の声明は、辞任の理由や後任には触れていない。
盟友の失脚はスー・チー氏にとって打撃となりそうだが、「身内に対しても汚職を許さない強い姿勢を示した」(地元有識者)との見方もある。
同じくスー・チー氏の側近で、18年3月末に就任したばかりのウィン・ミン大統領は、着任直後に汚職防止委のメンバーと面会し、なお深刻な汚職問題に率先して取り組む姿勢を示していた。
計画・財務省は、予算管理に加え、政府全体の経済政策の立案や外資誘致などを管轄する最も重要な経済官庁。チョー・ウィン氏を巡っては16年、博士号の学歴詐称が発覚した。近年の経済改革の遅れについても「チョー・ウィン氏の能力不足が最大の原因」(日系企業)との見方があった。