デジタル教科書を認定 改正学校教育法が成立
タブレット端末などで利用できる「デジタル教科書」を正式な教科書と同様に使えるよう認める改正学校教育法が25日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。電子黒板との通信機能など、デジタルの特性を生かすことで指導の幅が広がるとして、文部科学省は小学校で新学習指導要領が全面実施される2020年度以降、本格普及させたい考えだ。
デジタル版は紙の教科書と同じ内容だが、音声や動画も扱えるため、特に英語や理科での理解促進につながるとの見方がある。また、文字の拡大や読み上げ機能を利用すれば、障害がある児童生徒の学習にも効果が期待できる。
現行法は授業で紙の教科書を使用しなければならないと定めており、デジタル版は副教材の扱い。
改正法でも紙の教科書を主な教材とした上でデジタル版を併用することが想定されているが、視覚障害や識字障害などで紙の教科書を使った学習が困難な児童生徒については、全ての教育課程でデジタル版の使用が認められる。
小中学校の紙の教科書は無償だが、デジタル版は無償としないため、自治体の方針によっては、保護者の費用負担が生じる可能性もある。〔共同〕