財務省、森友との「交渉記録」提出 国有地売却巡り
財務省は23日午前の衆院予算委員会の理事懇談会に、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る学園側との交渉記録を提出した。佐川宣寿前国税庁長官は国会答弁で交渉記録は残っていないと説明していた。交渉記録は学園側との面談やメールでのやりとりの詳細で、国有地を大幅に値引きして売却した経緯も含まれている可能性がある。
財務省の太田充理財局長は23日午前、省内で記者団に「内容はきょう国会できちんと説明する。報告できることは報告する」と述べた。
学園との交渉記録を巡っては2017年2月の衆院予算委で、財務省の理財局長だった佐川氏が「確認したところ、近畿財務局と森友学園の交渉記録はなかった」と答弁。財務省の行政文書管理規則で保存期間は1年未満と定めており「事案の終了で速やかに廃棄している」と語っていた。
しかし、野党は交渉記録の存在を追及。太田局長は5月11日の衆院財務金融委員会で「きちんと調べ、あるのであればできるだけ速やかに報告したい」と述べた。学園側とのやりとりを記した近畿財務局のメールなどが数百ページ分、残っていたとされる。
財務省は改ざん前の決裁文書も追加で提出した。改ざんは14件の文書で確認され、3月には正誤表を公表した。ただ、改ざん前文書の全文はこれまで本省分の1件を公表しただけ。23日の衆院予算委の理事懇では残る近畿財務局分の13件も全文を出した。公表済みの決裁文書に記載があった「本省相談メモ」との文書も示した。