「脱・西側」のトランプ動学
本社コメンテーター 菅野幹雄
とんでもない時代が訪れた。
史上初の米朝首脳会談が6月12日と決まり、大国の双璧をなす米中が貿易不均衡やハイテク育成策を巡る主要閣僚同士のつばぜり合いを始めた。国際社会の制止をよそに米国はイラン核合意からの離脱とイスラエル大使館のエルサレム移転を断行し、中東情勢は再び緊張の度合いを深めている。
一連の動きはすべてこの1カ月で起きた。それもトランプ米大統領1人の人為的な決定による出来事だ。異端のリ...
東京、ベルリン、ロンドンで経済・政治を取材。脱デフレの財政・金融政策、ユーロ危機やEU動乱を報じた。18年からワシントンに赴任。「バイデンの米国」と世界秩序の変貌を追う。著書に「英EU離脱の衝撃」。