ミャンマー経済成長、17年度6.4%に上昇 世銀報告書
【ヤンゴン=新田裕一】世界銀行は17日、2017年度(17年4月~18年3月)のミャンマーの実質国内総生産(GDP)の伸び率が6.4%になったと発表した。前年度に比べ0.5ポイント上昇した。天候不順で落ち込んだ農業部門の回復に加え、縫製業を中心とする製造業がけん引した。18年度の経済成長率は6.8%と予測した。
17日発表したミャンマー経済に関する報告書で、世銀は「経済全体では堅調な成長が続くが、下振れのリスクも増している」と指摘した。政府の経済改革の停滞や、イスラム系少数民族ロヒンギャに対する人権問題が世界的な非難を集めていることを理由に挙げた。成長持続のために、電力インフラなどの投資環境の整備が必要と強調した。
物価は安定に向かっている。世銀によると、17年度のインフレ率は5.5%となり、前年度の7%から低下した。18年度はさらに4.9%に下がると予測した。
世銀によると、ミャンマーの実質経済成長率は民政移管後の経済開放が進んだテイン・セイン前政権の下では、14年度に8%、15年度7%と高水準を保っていた。アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる現政権が発足した16年度は農業部門の不振などで5.9%に低下した。