米穀販売のむらせ、神明と提携 仕入れなど共同化
米穀販売のむらせ(神奈川県横須賀市)は15日、同業の神明(神戸市)と業務提携契約を結んだ。仕入れや物流などの業務を共同化したり、精米工場を共同利用したりしてコストを圧縮する。余裕のできた資金を新規事業に充てるなどして業容拡大をねらう。
原料米の調達や産地開拓、物流も共同化して配送効率を高める。両社が持つ精米工場の共同利用によって、両社は北海道以外の全国をカバーできるようになる。
共同化の具体的な内容は今後協議する。話し合いの中で協力内容をさらに拡充することも検討するが、資本提携については両社とも「現時点では考えていない」と説明している。神明は昨年、回転ずし最大手のあきんどスシローの親会社、スシローグローバルホールディングスの筆頭株主となり、神明子会社の元気寿司も含む3社で資本・業務提携している。
神明の藤尾益雄社長は業務提携について「『米の消費を拡大したい』との思いが一致した。業務提携によって商品価値の向上に取り組み、業界を盛り上げ、消費の減少や後継者難などで悩みを抱える生産者が生き残れる環境を作っていきたい」と話した。
むらせの村瀬慶太郎社長は「浮いたコストを投資に回して、新しいマーケットを作りたい」と述べた。