サンウルブズ 堅守で今季初勝利
・サンウルブズ 63-28 レッズ(スーパーラグビー第13節、5月12日)
チーム最多得点はめでたいが、日本代表主将のリーチは正反対の勝因を挙げた。「一番良かったのはディフェンス」
後半5分までの一連の攻防。豪州代表経験者を7人抱えるレッズが攻める。サンウルブズは防御ラインを上げる。前へ、速く。1人が外されても味方がカバー。最後はパスのこぼれ球に、WTB福岡が飛びついて確保。窮地を脱した。「前に上がり続けてミスを誘えた」と福岡は胸を張る。
今季は失点がかさみ、開幕9連敗を喫した。日本代表と同じ、速い守備への迷いも出たが、体格に優れぬ日本が小よく大を制すにはスピードしかないと再確認。10戦目でようやく答えを出せた。
SOパーカーがゴールキック全12本を決める妙技で点を重ねると、先発のうち8人が23歳以下と若い相手は自壊。トライラッシュにつながった。
既に今季の目標、5強はかすむ。それでも価値ある白星だ。代表は6月、イタリアなどと3連戦する。強化の方向性の正しさが問われる正念場に向け、自信をつかんだ。
「今週は自分たちのプレーにフォーカスできた」ともリーチは言う。代表も指揮するジョセフ・ヘッドコーチの指導は細かく、相手への対策も多い。しかし、今回は世界と戦う時、自分たちに何が必要かに着目した練習に変えた。「前へ出る守備」と似た、原点回帰を経ての初勝利。「今回みたいな準備をすれば6月も勝てる」とリーチ。国内最終戦で得たものは小さくない。(谷口誠)