10日の参院予算委参考人招致の主な発言
柳瀬唯夫元首相秘書官らに対する10日の参院予算委員会参考人招致の主な発言は次の通り。
塚田一郎氏(自民)安倍晋三首相の指示なく面会することはあるか。
柳瀬氏 会うことはあったが、(個別案件を)いちいち総理に報告することはない。
塚田氏 愛媛県職員作成の面会の文書には、首相と加計学園の加計孝太郎理事長が会食し、当時の下村博文文部科学相の発言を巡る記述がある。
柳瀬氏 総理と加計学園の方との間で、獣医学部新設の話が出た覚えは全くない。
塚田氏 文書には国家戦略特区の記載もある。
柳瀬氏 事前に(内容の)確認を求められたことはない。詳細は覚えていないが、国家戦略特区制度は安倍政権の成長戦略の柱との趣旨で申し上げたかもしれない。
川合孝典氏(国民民主)首相秘書官時に、スケジュールの記録は取っていたか。
柳瀬氏 首相のスケジュールは記録していたが自分の分はしていない。
蓮舫氏(立憲民主)2015年4月の面会に、岡山理科大獣医学部の吉川泰弘学部長はいたか。
柳瀬氏 4月に吉川氏と会ったのか、その前の2~3月ごろだったか定かではない。
秋野公造氏(公明)加計学園関係者と会い、アドバイスしたと堂々と言っていれば良かった。
柳瀬氏 質問されたことだけに答えた結果、全体像が見えなくなり、混乱を招いた。
秋野氏 獣医学部新設に関し首相や柳瀬氏から何らかのアプローチがあったか。
加戸守行前愛媛県知事 一切なかった。ただ首相の前で獣医学部の件を切々と訴えたことはある。15年4月より1年半ほど前に「獣医学部の入学定員が増えないので、愛媛県が困っている」という発言を首相の前でした。愛媛県が獣医学部をつくりたいと、首相が認識したと思う。
田村智子氏(共産)愛媛県作成の文書には、国家戦略特区担当の藤原豊・内閣府地方創生推進室次長(当時)の発言として「要請の内容は総理官邸から聞いて(いる)」と書かれている。柳瀬氏が藤原氏に伝えたのか。
柳瀬氏 藤原氏が何と話したか存じ上げない。
田村氏 疑惑は深まっている。加計理事長らの証人喚問を求める。首相には何一つ報告しなかったのか。
柳瀬氏 総理には判断が必要なタイミングで(報告を)上げる。それが秘書官の業務だ。
片山大介氏(維新)加計学園関係者と、自分の判断だけで3回も会うのか。
柳瀬氏 いろいろな人に会うが、この人に会っていいかと首相に伺うことはない。
片山氏 面会の内容を首相には一回も報告しなかったのか。
柳瀬氏 具体的な案件について、首相に上げる必要を感じなかった。
福島瑞穂氏(社民)加計学園関係者と面会した記憶を、いつ取り戻したのか。
柳瀬氏 加計学園の方と会った記憶は一貫している。昨年の国会では、今治市の出張記録の関係で「市職員に会ったのか」と何度も聞かれたので「記憶にございません」と答えた。それは今でもない。
福島氏 加計学園関係者の名刺はあるか。
柳瀬氏 加計理事長の名刺は残っていた。
薬師寺道代氏(無所属クラブ)首相に国家戦略特区の制度設計を提言しなかったのか。
柳瀬氏 (当時の石破茂地方創生担当相が主導した)「石破4条件」の考え方が事務局から上がってきた。問題がないと思い、内閣府による首相への報告を認めた。
〔共同〕