米石油コノコ、ベネズエラ海外製油所差し押さえへ
【サンパウロ=外山尚之】米石油大手コノコフィリップスがベネズエラ国営石油会社PDVSAが海外に保有する資産の差し押さえに動いていることが7日、明らかになった。4月の国際商業会議所(ICC)の裁定に従い、PDVSAがオランダ領キュラソー島などに保有する製油所やタンカーを取得する意向という。原油輸出はベネズエラ政府にとり唯一の外貨獲得手段となっており、影響は大きそうだ。
ロイター通信が報じた。ICCは4月、06年にベネズエラ国内での石油プロジェクトが国有化されたことに伴い、補償としてPDVSAがコノコフィリップスに20億ドル(約2185億円)の調停金を支払う裁定を4月に受けたばかり。PDVSAが調停金を支払いを拒否する中、資産差し押さえに動いたとみられる。
コノコフィリップスは日本経済新聞社に対し、「ベネズエラで没収された投資に対する補償金を獲得するため、合法的な手段を採用する」とコメントした。
PDVSAは国内で採掘した原油の一部をカリブ海や米国の製油所に輸出し、精製している。国外の資産を没収されれば、既に破綻状態の経済状態がさらに悪化することになる。
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