拉致被害者の家族ら、米でワームビア夫妻と面会
【ニューヨーク=高橋里奈】加藤勝信拉致問題相や超党派議連とともに訪米した北朝鮮拉致被害者の家族らは3日、北朝鮮で拘束され死亡した米国人大学生オットー・ワームビアさんの両親と初めてニューヨークで面会した。横田めぐみさんの弟の拓也さんらが拉致について説明、オットーさんの父親のフレッドさんは「我々は北朝鮮のテロの被害者だ。我々はともにある」と応じた。
オットーさんは2017年6月に昏睡(こんすい)状態で解放され、その後死亡した。ワームビア夫妻は北朝鮮に損害賠償を求める訴訟を起こしている。
同日、被害者家族とワームビア夫妻は日米韓と欧州連合(EU)、オーストラリアが国連本部で共催した北朝鮮の人権問題を扱うシンポジウムに参加。北朝鮮の非核化機運が高まるなかで「拉致問題も忘れてはならない」(田口八重子さんの長男、飯塚耕一郎さん)と呼びかけた。オットーさんの母親のシンディさんも「オットーのためにも(拉致被害者の)家族のためにも立ち上がらなくてはいけない」と訴えた。
シンポジウムの後、横田さんは記者団に対し、南北首脳会談やトランプ米大統領の訪朝に関して「対話のための対話にしてはならない。北朝鮮の美辞麗句に惑わされてはならない」と述べた。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。