フェイスブック1~3月最高益 欧州規制で先行き懸念
【ニューヨーク=中西豊紀】米フェイスブックが25日に発表した2018年1~3月期決算は純利益が前年同期比63%増の49億8800万ドル(約5454億円)となり四半期ベースで過去最高を更新した。情報流用問題などで批判にさらされているものの、主力の広告事業の収益力はなお高い。ただ欧州での規制強化でユーザー減を想定しており先行きは不透明だ。
売上高は49%増の119億6600万ドルだった。このうち99%を占める広告事業が伸びた。前の期に初めて落ち込みが生じた北米のユーザーも増加に転じた。3月17日に発覚した英コンサルティング会社による情報流用はマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の議会証言にまで発展したが、1~3月期の決算ではほとんど影響が出ていない。
ただ、先行きには懸念材料もある。欧州では5月25日から企業に個人情報の利用を制限する「一般データ保護規制(GDPR)」が施行される。アナリスト向けの会見で同社のデビッド・ウェーナー最高財務責任者(CFO)は4~6月期のリスクとしてGDPRをあげ「欧州でのユーザー数が横ばいか減少する」と述べた。
GDPRが適用されるとユーザーが企業にデータの提供を拒んだり、サービスの利便性が落ちたりする可能性がある。扱う個人情報が他の企業よりも多いフェイスブックにとっては影響は大きい。ユーザー減は広告収入にも響く。
業績見通しについて同社は「世界の終わりのようなシナリオは想定していない」(ウェーナーCFO)と強気の姿勢は維持している。ザッカーバーグCEOは「重要な挑戦に直面するなかで、我々のコミュニティーとビジネスは18年に向かって強い歩みを踏み出した」と述べた。