TBSや集英社、C Channelがスマホ動画連合
女性向け動画配信のC Channel(Cチャンネル、東京・港)は25日、芸能事業に参入したと発表した。新人タレントがスマートフォン(スマホ)で動画を配信するアプリ「mysta(マイスタ)」を25日に開始した。TBSホールディングス(HD)、集英社など7社と連動企画を進め、人気タレントを発掘する。動画の知見を生かした新事業を開拓し海外展開も目指す。
新人のアイドル、声優、お笑いタレントがライブ動画を配信し、視聴者の応援度をランキング表示する。動画を見ている視聴者がメッセージや有料の応援ギフトを送信することで、ファンとのコミュニケーションを深められるようにした。
マイスタ上で開催するイベントなどで人気が高かったタレントには、提携企業が活動の場を用意する。エフエム東京は新人声優をオーディションする番組を7月から展開し、優勝者にレギュラー番組を持たせる。集英社は女性向け雑誌「セブンティーン」との連動企画を実施する。Cチャンネルの森川亮社長は「デジタル時代の新しいスターを生み出すプラットフォームにする」と意気込む。
森川氏がかつて社長を務めていたLINEは15年から同様の動画配信アプリ「LINEライブ」を展開している。マイスタと競合アプリとの違いはライブ映像ではなく録画編集した動画を流すことだ。「演出をかけた質の高い動画を見せる」(森川社長)ことで違いを打ち出す。
マイスタを運営する新会社を立ち上げる。現状で比率は未定だが、後援する7社からの出資も受ける。応援ギフトの売り上げ、広告、イベントの協賛で収益を上げ、1年後の黒字化を目指す。19年内には海外展開も視野に入れる。
スマホ動画の関連サービスは若者世代を中心に急激に浸透しつつある。ジャストシステムの調査によると、10代のスマホによる動画の視聴時間は1日約82分で、ほかの年代に比べて20分以上長かった。スマホ動画が現状のSNSに変わる新しいネット経済圏を生み出す可能性もある。
(松元英樹)
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