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武田のシャイアー買収 株主同意へ4つの焦点

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武田薬品工業は25日、アイルランドの製薬大手シャイアーと買収合意で最終調整に入った。実現すれば売上高3兆円超と世界トップ10に入るメガファーマが誕生する見通しだが、実現には株主の同意が必要。シャイアーは買収総額460億ポンド(約7兆円)となる提案を自社株主に推奨することも表明したが、今後、株主を説得するため必要な4つの焦点を整理した。

資産査定、新薬候補など収益性判断

まず必要なのは武田、シャイアー両社の資産や負債などを改めて調査する資産査定だ。7兆円も投じて完全子会社化を目指す価値が本当にあるのかどうか、買収するにあたりリスクはないのかどうか、を探る作業だ。

医薬品会社の場合、将来の収益を占う新薬候補物質「パイプライン」についての調査が大切だ。医薬品会社は通常、すでに売っている医薬品のほかに、将来実用化する可能性のある数十から数百にのぼるパイプラインを持っている。分析には高度な専門知識が必要だが、パイプラインの質と量は最も重要な経営指標といえる。

両社が保有する医薬品の価値や隠れ負債などの瑕疵(かし)を調べる必要がある。ひとたび副作用問題がおきれば、巨額の賠償金を迫られることさえある。シャイアーは買収を繰り返して来ただけに、後に巨額損失が明らかになった米原子力大手ウエスチングハウスを買収した東芝のような事態も起こりえる。

株式交換、価値は適正か

武田買収案ではシャイアーの1株あたりの買収価格を49.01ポンドと評価。その価値に対し、武田が発行する新株27.26ポンド相当と現金21.75ポンドを支払う内容となる。つまり総額7兆円のうち新株発行分が3兆8900億円、現金が3兆1000億円必要となる。

武田の時価総額は25日時点で3兆6000億円。これを上回る新株の発行で武田の株式は希薄化を起こす。既存の株主にとっては資産価値が目減りし、議決権が半分になるというデメリットもある。シャイアーの2017年12月期の純利益は4600億円と武田の4倍あり、買収で1株あたりの利益は倍以上になることは確実だが、丁寧な説明は必要だ。

一方、シャイアーの既存株主の中には英国株や欧州株に投資先を限るファンドなどもいるとされる。買収後に武田の新株をこれら株主に割り当てると、機械的に売却され、株価を押し下げる可能性も指摘されている。このため、現金の割合をより高めることを求められる可能性もある。

対抗買収の可能性

シャイアーを巡ってはすでに撤回したものの同業のアラガンが買収の検討を発表した経緯があり、米ファイザーや米アッヴィなど他の製薬大手が買収交渉に割り込んでくることも考えられる。

武田による総額460億ポンド(約7兆円)にも及ぶ買収額を上回るようなライバルが登場すれば、買収合意を決めても資金面で優れる強力なライバルとの競争になる。武田にとっても取締役会などで事前に設定した買収金額の上限を上回れば、提案そのものを撤回することになる。

直近の武田の株価下落

今回の提案は4月23日の武田の終値(4923円)を基準に算定した提案。しかし25日の発表を受け25日の東京株式市場で武田の株価は一時前日比9%安の4398円まで下落し年初来安値を更新。巨額の財務負担を警戒する機関投資家の売りが膨らんでいる。

武田の株価が下がれば、新株との交換を予定のシャイアーの株主が武田の株式価値を疑問視する可能性も出る。

そもそも、規模拡大を狙ったとみられる今回の買収構想。医薬品業界では規模拡大だけではなく、優秀な研究者や知的財産権など知識の集約が重要だ。社員数が100人に満たないスタートアップでさえも、優良なパイプラインを持っていれば、買収額は簡単に1兆円規模になる。

実現すれば2016年のソフトバンクグループによる英半導体設計アーム・ホールディングスの買収(約3兆3000億円)を上回り日本企業として過去最大のM&A。製薬業界に限らず多くの関係者が両社の今後に注目している。

(企業報道部 高田倫志)

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