ギャンブル依存症、家族の8割借金肩代わり、患者団体調査
ギャンブル依存症患者を抱える家族の約8割が借金の肩代わりを経験していた。患者家族らでつくる「ギャンブル依存症問題を考える会」による調査。数百万円に上る肩代わりを迫られた例も多く、依存症による借金苦が家族にまで及ぶ実態が浮き彫りになった。
調査は2015年12月~16年3月に、筑波大の研究チームと考える会が共同で実施。同会が支援する依存症家族224人を対象とした。
「パチンコ・パチスロ」(92%)が依存の対象として最も多く、「競馬」(19%)、「競艇」(6%)などの公営ギャンブルが続いた。
家族による借金の肩代わりの有無についての質問では200人が回答し、83%にあたる166人が「あり」と答えた。肩代わりの回数は1回(18%)が最多で、3回は17%、「(回数が)数えきれない」とする答えも10%に上った。「100万~300万円」が肩代わりの額として最も多い24%。18%が「1千万円以上」だった。
ギャンブル依存症を巡っては、政府が4月中にもカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案を国会に提出し、議員立法の依存症対策基本法案も審議される見通し。IR実施法案は入場料を徴収したうえで、入場回数の制限も盛り込む。
ただ、依存症の予防効果があるかどうかは不透明。考える会などは患者やその家族の支援についても国会での議論を求めている。
考える会の田中紀子代表は「患者本人だけでなく、家族への支援も重要。対策は多岐にわたるのに議論が深まっていない」と指摘。患者が刑事事件につながる深刻なトラブルを起こすケースもあるといい、相談体制の充実などを求めた。