受賞者名漏えい認める ノーベル文学賞選考主体
【ロンドン=共同】ノーベル文学賞の選考主体スウェーデン・アカデミーは20日、メンバーの夫によるセクハラなどの疑惑について第三者の調査結果を発表し、過去に文学賞の受賞者名が漏洩したことがあったと明らかにした。アカデミーが漏洩を認めるのは極めて異例。
誰が漏洩したかなどは明らかにしていないが、疑惑の渦中にいるのは写真家ジャンクロード・アルノー氏。アカデミー・メンバーで詩人の妻カタリーナ・フロステンソン氏を通じて知った受賞者名を7回、他人に教えたと報じられており、2016年の米歌手ボブ・ディラン氏などが含まれているという。
疑惑への対応を巡り、メンバー18人のうちダニウス事務局長を含む6人が相次いで辞意を示し、アカデミーは事実上機能停止状態だ。
弁護士による調査はセクハラ疑惑について「受け入れられない振る舞い」があったと断定。アカデミーは調査結果を捜査当局に提出した。
アルノー氏は昨年まで10年以上にわたり、自身の文化団体に資金提供を受けたほか、アカデミーに近い立場を利用してセクハラや性的暴行を行ったなどと報じられたが、本人は否定している。
メンバーは終身制で辞意を表明して活動を停止しても辞任できない仕組みだったが、スウェーデンのカール16世グスタフ国王は18日、この規定を変えるべきだとの考えを示した。