志賀草津道路が開通 例年同時期、噴火影響なく
長野県山ノ内町と群馬県草津町を結ぶ重要な観光ルート「志賀草津道路」(国道292号)の冬季閉鎖が20日、解除された。1月23日に起きた草津白根山の本白根山噴火の影響が懸念されたが、立ち入り規制範囲を町が3月に縮小し、例年と同時期の開通となった。
草津町では再開通式が開かれ、黒岩信忠町長らが交通安全を祈願。黒岩町長は「町にとって本当にうれしいニュースだ。開通で風評被害が払拭できることを期待している」と述べた。
友人とツーリングに来た東京都国立市の大学生、小山広将さん(22)は「噴火の影響が心配だったが、開通すると聞いて行くしかないと思った。道路からの景色を味わいたい」と笑顔で話した。
町によると、2017年度に町を訪れた観光客は過去最多の約321万人だったが、今年1~3月は前年同期比約5%減だった。道路は標高2172メートルの地点を通る日本一高地の国道で、夏場は景勝地・湯釜に向かう観光客らが利用。町の担当者は「開通で客の入りが戻れば」と期待する。
道路脇に火山灰が残り、雪解けで道路に流入して車がスリップする可能性があるため、当面は一部区間で通行を午前7時~午後6時に限定する。
噴火後は火口付近の半径2キロの立ち入りが規制されたが、3月に同1キロに縮小されたため、道路は規制範囲から外れた。〔共同〕