テレ朝「被害者は社員」 報道局長「セクハラあった」
財務省の福田淳一事務次官の辞任表明を受け、テレビ朝日は19日未明、記者会見し、同社の女性社員がセクハラ被害を受けていたと発表した。財務省には被害を受けたことを正式に抗議するという。女性社員は疑惑を報じた週刊新潮に福田次官との会話の録音の一部を提供しており、同社は「取材で得た情報を第三者に提供したことは不適切な行為で遺憾」とした。
同社によると、女性社員は約1年半前から数回、取材目的で福田次官と一対一で会食。そのたびにセクハラ発言があり、身を守るために会話の録音を開始。福田次官の許可は得なかったという。
4月4日にも福田次官から連絡を受けて飲食の機会があり、セクハラ発言があったため途中から録音を開始。上司にこうした事実を報じるべきだと相談したが、上司は本人が特定されて二次被害が心配されるため「報道は難しい」と見送ったという。
このため女性社員は、週刊新潮に連絡し、取材を受け、同日のやりとりが報じられたという。
会見したテレビ朝日の篠塚浩・取締役報道局長は「社員からセクハラの情報があったにもかかわらず、適切な対応ができなかったことを深く反省する」とした。
同社は女性社員の氏名については被害者保護の観点から開示しないとした。篠塚報道局長によると、女性社員は福田次官がセクハラを認めずに辞任したことについて「とても残念だ。財務省は今後も調査を続けて、事実を明らかにしてほしい。全ての女性が働きやすい社会になってほしい」と話しているという。
テレビ朝日は近く財務省に対し、福田次官の行為やその後の対応に対し正式に抗議する方針。