中外製薬、がん免疫薬「テセントリク」発売
中外製薬は18日、同社初のがん免疫薬「テセントリク」が薬価収載され、同日発売したと発表した。進行、再発した肺がん向けで1回分1200ミリグラムの価格は62万5567円。3週間おきに点滴で注入する。肺がん向けでは小野薬品工業の「オプジーボ」、米メルクの「キイトルーダ」に次ぐ3番目の免疫薬となる。
免疫薬は本来人に備わる異物の排除機能を生かしてがん細胞をやっつける仕組みで、高い効果からがん治療に革命を起こしたとされる。テセントリクは免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれるタイプで、作用の仕方がオプジーボやキイトルーダと似ている。中外製薬は免疫薬で後発となるが、小坂達朗社長は18日に出したコメントで「複数のがん種、(他の薬剤と一緒に使うことで効果を高める)併用療法の開発を進める」と強調した。
がん免疫薬を巡っては17日に小野薬品がオプジーボを他の薬と併用した肺がん治療の臨床試験(治験)で、既存の抗がん剤治療より死亡リスクを大きく抑える結果が出たと発表。メルクもキイトルーダと抗がん剤の併用で患者の生存期間を延ばしたと発表するなど、併用療法を軸に開発競争が激しくなっている。