トランプ氏、FRB副議長にコロンビア大教授を指名
【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は16日、米連邦準備理事会(FRB)で金融政策を担当する副議長にコロンビア大学のリチャード・クラリダ教授を指名したと発表した。議会上院の承認が得られれば4年間の任期で就く。パウエル議長は経済学者出身ではないため、クラリダ氏は緩やかな利上げを進める新体制の金融政策を理論的に支えることになる。
クラリダ氏は米債券運用大手ピムコの幹部も務める。ブッシュ(子)政権で経済政策を担う財務次官補に就いた。過去にはパウエル氏の議長就任を肯定的に評価しており、市場では「実務家」とみられている。
重要ポストである副議長は前任のフィッシャー氏が2017年10月に辞任し、空席となっていた。金融規制を管轄するもう1人の副議長には同じ時期にクオールズ元財務次官が就いた。クラリダ氏が就任すれば、パウエル議長も含めて3人の財務省経験者が正副議長を務める形になる。
トランプ氏は16日、あわせてFRB理事にカンザス州銀行監督当局のミシェル・ボウマン氏を指名した。FRBは7席ある理事ポストのうち4つが空席という異常事態となっている。既に別の1人が理事に指名されているが、議会の承認をまだ得られていない。
FRBは3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でパウエル議長のもとで初めての政策金利引き上げを実施した。18年は年3回の利上げを見込んでいる。
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