大分山崩れの死者3人に 捜索再開、1遺体発見
大分県中津市耶馬渓町金吉で住宅に土砂が流れ込み、2人が死亡、4人が行方不明になっていた山崩れで、15日夜、現場から新たに性別不明の1人の遺体が見つかった。犠牲者は計3人になった。
悪天候のため中断した捜索活動は同日午後、約500人態勢で21時間半ぶりに再開した。安否が分からない江渕優さん(21)らが暮らしていた住宅近くを、遠隔操作できる無人重機などで慎重に掘り起こした。
現場に積もった焦げ茶色の土砂は、前日の雨を吸い込み、ぬかるんだ状態に。崩落した斜面からは、小さな石が断続的に転がり落ちていた。
生存率が大きく下がるとされる「発生後72時間」が経過した中、ある男性自衛隊員は「二次災害の危険があり、人が作業できない状況」と語り、焦りをにじませた。
農林水産省の礒崎陽輔副大臣は同日、崩れた山林の状況を確認するため、現場や避難所の公民館を視察した。記者団の取材に応じ、不明者の捜索が最優先とした上で「山林崩壊のメカニズムを究明し、防災に役立てるのも重要だ」と語った。
山崩れは11日午前3時50分ごろ発生、住宅4棟が巻き込まれた。自衛隊員らによる捜索は24時間態勢で続いていたが、雨が強まったため14日夕に中断した。中津市は10世帯26人に避難勧告を出している。
〔共同〕