トランプ氏、英首相と電話協議「化学兵器の使用容認せず」
【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は10日、英国のメイ首相とシリア情勢をめぐり電話協議した。両氏はシリアのアサド政権が反体制派との戦闘で化学兵器を使ったとみられることについて「人命をひどく無視した」と非難。「化学兵器の使用が続くことは認めない」との認識で一致した。
ホワイトハウスは10日、トランプ米大統領が今週後半に予定していたペルーとコロンビア訪問を取りやめると発表した。ホワイトハウスは「シリアへの対応を指揮するため」と説明した。
複数の米メディアによると、マティス国防長官も13日に予定していた米西海岸の訪問を中止した。トランプ氏はアサド政権への軍事行動を視野に入れており、政権中枢がワシントンにとどまり臨戦態勢に入ったもようだ。
フランスのマクロン大統領も10日の記者会見でアサド政権について「米英と情報交換し、近日中に対応を発表する」と述べた。「政権の化学兵器能力を攻撃する」とも言及し、軍事行動に踏み切った場合には対象を限定する考えを示唆した。マクロン氏はかねてアサド政権が化学兵器を使えば軍事行動で応じると表明していた。