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日本人審判、W杯で存在感 代表チームしのぐ活躍

サッカージャーナリスト 大住良之

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3月29日、国際サッカー連盟(FIFA)は6月14日に開幕するワールドカップのロシア大会を担当する主審36人、副審63人、計99人の審判員を発表した。日本からは佐藤隆治主審(1977年愛知県生まれ、大会開幕時には41歳)と、3大会連続の相楽亨副審(76年栃木県生まれ、41歳)の2人が選ばれた。日本代表チームは98年フランス大会で初出場を果たしたが、日本人審判員はそのずっと前からワールドカップの舞台で活躍してきた。今回はその「系譜」を追ってみよう。

最初に、どうしたらワールドカップで審判を務めることができるのか、その「道筋」を簡単に紹介しておこう。日本の審判制度は「4級」から「1級」まで4つの階級があり、1級の中でもトップクラスであるJリーグを担当する審判員は、主審専門と副審専門に分かれる。さらにその中から、日本サッカー協会が国際試合を担当できる国際審判員(主審・副審)を推薦し、FIFAに認められるという形になっている。2018年の日本の男子国際審判員は主審が7人、副審が9人だ。

70年の丸山氏から連なる系譜

こうして国際審判員になると、まずアジアの中で試合を担当し、そこで高い評価を受けたごく少数の審判員がワールドカップの候補となり、FIFAの研修会やFIFA主催の大会(U-20=20歳以下=ワールドカップや五輪など)を経てワールドカップ本大会審判員として選ばれることになる。

この狭き門に、日本の審判員は98年フランス大会から6大会連続で選出されてきた。偉業といっても過言ではない。だが「日本人最初のワールドカップ審判員」となると、そこからさらに時間を30年近くさかのぼらねばならない。

70年メキシコ大会に出場した丸山義行さん(31年栃木県生まれ、当時38歳)である。中央大時代に審判員となり、61年、29歳で国際審判員となった。64年東京五輪と68年メキシコ五輪の審判員に選ばれ、特にメキシコでは高い評価を受けて70年ワールドカップに招集された。

当時は大会前にFIFAが研修会をするわけでもなく、何も事前の情報がないままメキシコに行くと、欧州勢はとっくに来ていて、結局丸山さんに任されたのは1次リーグD組、6月2日にレオンで行われたペルー―ブルガリア戦の線審(現在の副審)だけだった。

日本代表チームが低迷していた70年代から80年代、日本の国際審判員にも活躍の機会は少なかった。だが「世界の舞台」への復帰は、代表チームよりも審判の方が早かった。

高田氏、86年大会で初の主審

丸山さんに続いてワールドカップの舞台を踏んだのは86年メキシコ大会の高田静夫さん(47年東京都生まれ、当時38歳)だった。東京教育大(現在の筑波大)を卒業後、できたばかりの読売サッカークラブ(現在の東京ヴェルディ)でプレーしたが、73年、わずか3年で引退して審判員の道を歩み始めた。4級からスタートして80年に1級に。84年に国際審判員になると、アジアを舞台に力を発揮して、メキシコ大会では日本人として初めて主審を務めた。

試合は6月12日にモンテレイで行われたアルジェリア―スペイン戦。前半にアルジェリアGKが負傷退場して難しい試合となったが、現地で取材した読売新聞の牛木素吉郎さんは「立派に合格点」と書いた(「サッカーマガジン」86年9月号)。

この大会でさらに2試合の線審を務めた高田さんは、続く90年イタリア大会にも選出され、主審1試合(ユーゴスラビア×アラブ首長国連邦=UAE)と線審3試合を担当した。

高田さんが主審を務めた試合を私はボローニャのスタジアムで取材したが、きびきびと走り回る高田さんと比べて、線審を務めていたフランスのボートロさんの緩慢な動きに驚いた。ワールドカップに選ばれる審判員は普段は主審しかしておらず、中には線審など何年もやったことがない人もいた。ボートロさんは当時、「世界ナンバーワン」と呼ばれていた人だった。FIFAもこの事実に気づき、その後、国際審判員を主審と副審の専門家に分けた。

日本代表チームが初めて出場権を獲得した98年フランス大会には、岡田正義さん(58年東京都生まれ、当時40歳)が「主審」として初めて選ばれ、マルセイユでのイングランド―チュニジア戦を担当した。

東洋大時代に審判員となり、93年に国際審判員に。折からのJリーグ開始で急速に試合経験を積み重ね、96年アジアカップ(UAE)ではイラン―イラク戦という非常に難しい試合を完全にコントロールして絶賛され、一気にワールドカップまで上り詰めた。02年には上川徹さんとともに日本初の「プロ審判員」となり、これ以後は、プロがワールドカップに出場するようになる。

日韓共同開催の02年大会には主審として上川さん(63年鹿児島県生まれ、当時38歳)が出場。6月1日、日本での「開幕戦」にあたる新潟でのアイルランド―カメルーン戦で笛を吹いた。

ちなみにこの試合で副審を務めたのはマレーシア人とベルギー人だった。FIFAは主審と2人の副審のコミュニケーションが大事であることに気づき、以降は基本的に同国人トリオで審判団を担う形に改めた。上川さんは06年ドイツ大会にも選ばれた(当時43歳)が、そのときには「チーム上川」として副審に日本の広島禎数さん(62年大阪府生まれ、当時44歳)、韓国の金大英(キム・デヨン)さん(当時43歳)とトリオを組んだ。3人の活躍はめざましく、グループリーグで2試合(ポーランド―エクアドル戦、イングランド―トリニダード・トバゴ戦)を担当した後、3位決定戦(ドイツ―ポルトガル戦)を任されるという栄誉を担った。

ロシア大会に佐藤主審と相楽副審

10年南アフリカ大会には、新しいトリオが出場する。西村雄一主審(72年東京都生まれ、当時38歳)、相楽亨副審(大会開幕時33歳)、そして韓国の鄭解相(チョン・ヘサン)副審(71年生まれ、当時39歳)。この3人で07年U-17ワールドカップで決勝戦を担当して高い評価を受け、10年ワールドカップでは開幕日のウルグアイ―フランス戦を皮切りに、スペイン―ホンジュラス戦、パラグアイ―ニュージーランド戦と1次リーグで3試合を担当。準々決勝のオランダ―ブラジル戦という重要な試合も任された。そして西村さんと相楽さんは決勝戦(スペイン―オランダ戦)の第4、第5審判員にもなり、試合後には記念メダルを授与されている。

14年にはついに「日本人トリオ」がワールドカップの舞台に立つ。西村主審(当時42歳)、相楽副審(大会開幕時37歳)の「連続出場組」に加え、副審として名木利幸さん(71年高知県生まれ、当時42歳)が選ばれたのだ。

この3人はなんと6月12日にサンパウロで行われた開幕戦(ブラジル―クロアチア戦)を担当することになった。ワールドカップの開幕戦審判は大会の「基準」を示す重要な役割を担うといわれている。その重責が前大会での経験も買われ、「チーム西村」に任されたのだ。

残念なことに、決勝点となったPKの判定が大きな反響を呼んでしまった。ブラジルに与えたPKを、世界の多くのメディアが「誤審」と断じたのだ。FIFAは正しい判定だったと認め、今日では世界の誰もがそうであることを理解しているが、あまりに反響が大きかったため、日本トリオの担当はこの1試合だけにとどまった。

そして今回、佐藤主審と相楽副審が選出された。ただ、選ばれた審判員は4月下旬にイタリアで開催される研修会に出席しなければならない。そこがいわば「最終試験」となる。「世界の36人」に選ばれても、まだまだ競争を強いられるのが審判の世界なのだ。

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