大阪メトロが1日始動 民営化、ロゴ張り替え急ぐ
大阪市営地下鉄が民営化し事業を引き継ぐ新会社「大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)」が1日、始動する。公営地下鉄としては全国で初めて。民間の発想を生かし、利用客へのサービス向上や事業の多角化を図る。市営地下鉄として最後の営業日となった3月31日、利用者からは新会社への期待や注文の声が上がった。
市交通局の中百舌鳥検車場(堺市)では同日、職員らが車両につけるロゴマークのステッカーの張り替え作業を急いだ。6月末までに全1354車両の張り替えを完了する予定。
作業を監督していた副場長の多田泰三さん(51)は「気の引き締まる思い。これまで以上に安全管理を徹底し、コスト削減など民間の意識をもって業務を進めたい」と意気込んだ。
淀屋橋駅(大阪市)から御堂筋線に乗った同市の専門学生、佐々木泉さん(19)は「はやりの店をたくさん入れて、おしゃれな駅ナカにしてほしい」と駅構内の商業施設の開発に期待。同市の男性会社員(51)は「毎日の通勤の足だった。民営化後も事故なく安全運転を続けてほしい」と話した。
大阪メトロはニュートラムを含む9路線。南北に走る御堂筋線などを保有し、1日平均245万人が利用する。民営化の議案は大阪市議会で2度否決されたが、2017年3月に市が100%株式を保有することなどを条件に可決された。
新会社の社長にはパナソニック元最高財務責任者(CFO)の河井英明氏が就任。新会社は、不動産や流通など事業の多角化を図る。駅構内や地下街の商業施設を拡充したり、保育施設などを入居させたりしてサービスの向上を目指す。
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